我が家は土地の宅地造成(田んぼを埋め立て)を行い新築しました。
宅地造成した土地は三面にL型擁壁を設置しており、洪水対策のため嵩上げ(地上げ)も行っております。
なお契約したユニバーサルホームに造成工事を頼むこともできましたが、金額が高かったので私が直接、宅地造成業者に工事を依頼しております。
今回は宅地造成にかかった費用や経緯なども含めて詳細を書きます~♪
宅地造成工事を行った土地(田んぼ)の詳細
我が家は昔兼業農家だったので、田んぼをいくつか所有しています。
新築を考え始めた当時は、どこかの宅地を買う予定だったんですが、子育てのことを考えその中の実家横の田んぼを埋め立てることにしました。
埋め立てた田んぼの面積は約69坪(縦19m×横12m=228㎡)。
もちろん農地を宅地造成するのに必要な農地転用や分筆登記も事前に済ませてます。
『[農地から宅地に]農地転用・分筆の流れと費用は?見積もりを公開します』
なお、この田んぼは農業振興地域内ではなかったため、農振地域除外等の手続きは行っておりません。
宅地造成前には家の間取りも決まっており(延床面積37坪の総二階)、埋め立てた面積もユニバーサルホームの担当者の意見等を聞きながら自分で決めました。
宅地造成前と後の土地はこんな感じ。写真の左側が実家です。
埋め立てた高さは、奥の方が田んぼの地盤面から1m、写真手前の道路からだと65cm高くなっております。
道路よりも高くした理由は水害対策ため。詳しくは後述します。
家の配置場所の南側3mぐらいから手前道路までだんだん低くなり、駐車場用のため傾斜になっています。
田んぼの宅地造成(埋め立て)にかかる費用について
宅地造成前にもらった見積書、造成完了後の請求書、その他宅地造成に関する費用について聞いたことなど詳細を書きます。
田んぼの宅地造成費用の見積もり
見積書1枚目
内容 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
床堀り、基礎砕石 | 1 | 式 | 65,000 | 65,000 |
基礎コン型枠、生コン打設 | 1 | 式 | 135,000 | 135,000 |
L型擁壁 H-1200認定品 L=50m | 1 | 式 | 743,200 | 743,200 |
L型擁壁据付 | 50 | m | 3,500 | 175,000 |
コーナー切り合せ | 1 | 式 | 30,000 | 30,000 |
山土盛土、均し、転圧 | 236 | ㎥ | 1,600 | 377,600 |
BH・ローラー運搬費 | 1 | 式 | 50,000 | 50,000 |
諸経費 | 1 | 式 | 157,200 | 157,200 |
小計(税抜) | 1,733,000 | |||
消費税(8%) | 138,640 | |||
合計 | 1,871,640 |
続いて見積書2枚目
内容 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
床堀り、基礎砕石 | 1 | 式 | 65,000 | 65,000 |
基礎コン型枠、生コン打設 | 1 | 式 | 135,000 | 135,000 |
L型擁壁 H-1200 L=50m | 1 | 式 | 654,400 | 654,400 |
L型擁壁据付 | 50 | m | 3,500 | 175,000 |
コーナー切り合せ | 1 | 式 | 30,000 | 30,000 |
山土盛土、均し、転圧 | 236 | ㎥ | 1,600 | 377,600 |
BH・ローラー運搬費 | 1 | 式 | 50,000 | 50,000 |
諸経費 | 1 | 式 | 157,000 | 157,000 |
小計(税抜) | 1,644,000 | |||
消費税(8%) | 131,520 | |||
合計 | 1,775,520 |
1枚目が計1,871,640円(税込)
2枚目が計1,775,520円(税込)
見積書2枚の違いは「L型擁壁が、宅地造成用か宅地造成用ではないか」です。
1枚目が宅地造成用L型擁壁の見積書、2枚目が宅地造成用ではないL型擁壁の見積書となっております。
宅地造成用ではないものは道路用など、その他のものになります。
宅地造成用の方が地震等の災害が起きた時に強いとのこと。
見積書1枚目のL型擁壁「内容」部分に記入されてますが、「認定品」となってますね。
これは宅地造成等規制法施行令第14条の規定に基づいた、国土交通大臣の認定製品でそれだけ高性能・高品質ということです。
金額が10万円しか変わらなかったので将来の自然災害等のことを考え、最終的に宅地造成用のL型擁壁を選び家を建てました。
諸費用はなぜか200円違いますが気にしません(笑
内訳、工事内容の詳細を書きます。
床堀り、基礎砕石
田んぼの土の下の固い地盤を掘る作業。
L型擁壁をそのまま田んぼの固い地盤に置くわけにはいかないので(擁壁が移動したりズレたりするから)、擁壁設置用にコンクリを流し込むため地盤を掘って砕石を敷きます。
なお田んぼ全体を掘るのではなく、L型擁壁設置部分の周りだけです。
こういった作業にかかる費用となります。
金額65,000円
基礎コン型枠、生コン打設
これは言葉の通りそのままです。
地盤を掘った後、L型擁壁の形に合わせてコンクリートを流し込みます。
また、コンクリートを綺麗な形にするため、流し込む部分を木枠等で固定されます。
L型擁壁設置の下準備ですね。
金額135,000円
L型擁壁 H-1200認定品 L=50m
さきほど説明した通り、宅地造成用とそうではないもので値段が変わります。
宅地造成用L型擁壁の金額 743,200円
宅地造成用ではないL型擁壁の金額 654,400円
ちなみに単価は宅地造成用が1mあたり14,864円、宅地造成用ではないものが13,088円。
我が家の田んぼは、道路面から45cm低い場所に固い地盤があります。
また30年前に近くの川が氾濫し、建て直す前の実家が床下浸水の被害に遭いました。
そういった経緯より地盤を1mほど嵩上げするため、1.2mのL型擁壁となっております。
次に「L=50m」は長さを表しています。
最初に書きましたが、埋め立てる土地の面積は「縦19m×横12m=228㎡(約69坪)」です。
そして、道路以外の2面が田んぼ、1面が畑と接しています。
その3面に対してL型擁壁を設置するので、長さが合計で「19m+12m+19m=50m」ということですね。
なお設置したL型擁壁は、株式会社ヤマウの「NNCニューノーマルクリフⅡ(国土交通省大臣認定品)」というもの。
(2019年10月1日現在、販売中止になり現在は「NNCニューノーマルクリフIII」を販売されてます。)
L型擁壁据付
上記の長さ50m分のL型擁壁を設置するので、その据付費用になります。
さきほどもお伝えしたようにそのまま田んぼに置いてしまうと、振動などによってずれてくるため事前にコンクリートを引いてその上に乗せます。
こんな感じ。
この上にL型擁壁を置いて動かないように設置するわけですね。
なおL型擁壁は1つ1つが大変重く1トンほどあります。
クレーンで釣り上げて、微調整しながら置かれていました。
金額175,000円
コーナー切り合わせ
L型擁壁をコーナー用に調整するための費用です。切る場所は計2箇所。
こういった分厚いコンクリートのL型擁壁はウォールソーやハンドカッターで切断されます。
切断部分の画像はこんな感じですね。
切断面もコンクリートで接着されています。
金額30,000円
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山土盛土、均し、転圧
「山土」は田んぼを埋め立てるための土のことです。字のごとく山から土を持ってきます。
ネットで調べたら「山土」ではなく他の土でされる方もいらっしゃるみたいです。わざわざ山から持ってこないので金額も安くなりますしね~。
(我が家と同じく、田んぼの埋め立てを考えている方は「廃土」というものがどんなものなのかいろいろ業者さんに聞いてみてください。安全性が確認できれば費用が安い「廃土」の方がいいかもしれませんね。オススメはしませんけど・・・。)
「盛土」も読んで字のごとく、持ってきた土で盛土し埋め立てることですね。
先述した通り地面を嵩上げするため結構な量が必要になりました。
「均し、転圧」は土で埋めた後、地面を平らにして地盤を締め固めることです。
そのまま土で埋めただけにしておいたら、地盤がブヨブヨですからね~(‘ω’)
キチンと圧をかけて家を建てられるよう整地を行います。
埋め立てる体積(228㎥)と、持ってくる土の量(236㎥)が違うのは転圧を行い圧縮されるからですね。
金額377,600円
BH・ローラー運搬費
「BH」はバックホーの略で、分かりやすくいうとショベルカーですね。
実物はこういったもの。
「ローラー」はロードローラー等、転圧用の機械のことですね。
どちらもそのまま公道を走ってくるわけにはいかないため、大きいトラック等に乗せて田んぼまで運搬します。
大きいためその分手間がかかり、運搬費用もそれだけかかることになります。
金額50,000円
諸経費
山土を持ってくるのに、ダンプを使ったりするのでその費用とかですかね~。
人件費等も含まれていると思われます。
なぜか200円違いますが、高い方の金額を記載しておきます。
金額157,200円
田んぼの宅地造成に実際かかった費用(請求書)
内容 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
当初見積り額 | 1 | 式 | 1,733,000 | 1,733,000 |
L型擁壁サイズ変更差額 | 1 | 式 | -43,000 | -43,000 |
西側既設畦畔コン切断、はつり | 1 | 式 | 30,000 | 30,000 |
小計(税抜) | 1,720,000 | |||
消費税(8%) | 137,600 | |||
合計 | 1,857,600 |
見積書をもらった後、実際に宅地造成工事を行ってもらったわけですが、若干金額が安くなりました。
総額 1,857,600円(税込)
請求書の見積書との差額は-14,040円。
なぜ安くなったのか詳細を書きます。
L型擁壁サイズ変更差額
もともと西側に設置してあった、コンクリートブロック擁壁の地盤部分が若干高かったためL型擁壁のサイズを変更しました。
西側19m分のL型擁壁の高さを1.2mから1mに変更。
サイズを小さくしたので価格が若干下がりました。
他の2面は見積もりと変わりありません。
宅地造成中にL型擁壁サイズ変更の連絡があり、10万円ぐらいは安くなるだろうと思ってましたが甘かったです。
L型擁壁は、大きさ一つ一つそこまで値段が変わらないということですね。
金額(差額)-43,000円
西側既設畦畔コン切断、はつり
コンクリート製品に対し、穴をあけたり叩いたり砕いたりする作業全般のこと。
宅地造成後の写真の通り、既設の西側コンクリートブロックにくっ付けてL型擁壁を設置しています。
ブロックは数十年前に設置してあるため、ぼろぼろになってました。
これを綺麗にするための費用ですね。ほとんど工賃です。
金額+30,000円
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その他 宅地造成の費用に関すること
田んぼの土の鋤取りについて
田んぼを埋め立てするときに、もともとある田んぼの土を取り除く土木業者がいます。田んぼの土って柔らかいですからね。
ただ、埋め立てる土が柔らかろうが固かろうが、田んぼを埋め立てて(宅地造成して)から家を建てるとなると、杭を打ったりする地盤改良工事は必須です。
埋め立ててからすぐ家を建てるとなったら、地盤は土に関係なく不安定そうだし(;^ω^)
数十年そのままにしておくのならまだしも、数年ぐらいならやっぱり不安です。
となると、わざわざ田んぼの土を鋤取る必要もないですよね。どうせ地盤改良するんだし。
私が直接依頼した土木業者も鋤取らないとのこと。
ちなみに当時、別の土木業者に電話で確認したところ、鋤取りに1㎡あたり1,000円ほどかかるということでした。69坪なら約23万円ですね。
こんなにかかるぐらいなら他の費用に回した方がいいと思ってます。
でもホントは、鋤取りして地盤改良行うのが一番安心なんですけどね。
地盤改良する家の部分以外(外構・庭部分など)はやはり柔らかいですから・・・。
ただ私にそんなお金はありませんでした><
実際の宅地造成中の我が家の写真がこちらです。
もともとあった田んぼの土はそのままで、造成用の土が盛られているのが分かりますね~。
ちなみに収穫後の稲の上からそのまま盛られてます(笑
宅地造成する土地までの距離や道幅
土を持ってくる場所から、宅地造成する土地までの距離や、それまでの道幅でも費用が変わるとおっしゃられてました。
土を運ぶためのダンプが通れないなら、それより小さい車で運ばないといけませんからね~。
4tトラック(最大積載量5t)なら1回で往復できるものを、軽トラック(最大積載量0.35t)なら14回以上往復する必要があります。
運搬する時間も手間もかかるので費用がかさむのも頷けますね^^;
なお、埋め立てた田んぼの前の道幅は約4mありました。
直接目にはしてませんが、ダンプで運ばれたんだと思います。
宅地造成にかかる費用の坪単価
宅地造成を考えてた初期の頃、土木関係の知り合いにどのくらいの費用がかかるのか聞いてみました。
「坪2,3万ぐらいでいけるんじゃないかな~」とのこと。
上記見積もりを計算したところ坪約2万7千円だったので、だいたい合ってましたね~♪
都会の場合、物価が高くて道も狭かったりするので坪3,4万円ぐらいするかもしれません( ゚Д゚)
宅地造成費用の相場
こちらの宅地造成業者に決める前、ユニバーサルホームに頼んで4社見積もりを取ってもらったんですが、210万円~240万円ほどかかり上記見積もり187万円には遠く及びませんでした。
仲介料、工事の内容、L型擁壁の種類等、理由もいろいろあるかもしれませんが、ちょっと差がありすぎますよね”(-“”-)”
宅地造成工事にかかった期間
今回、宅地造成にかかった期間は8日間でした。
早いですね~!
1か月ぐらいかかるだろうと勝手に思ってましたが、面積がそんなに広くないため長くはかかりません。
家を建てる期間よりはるかに短いです。
途中、作業員さんが休みの日曜日や雨の日を挟んだので、実際はもっと短くできるかもしれませんね。
田んぼ100坪を宅地造成するときの費用計算
我が家の宅地造成にかかった費用はこんな感じなんですが、このブログ記事を見られている方で

私は○○坪ぐらい田んぼを埋め立て(宅地造成)して家を建てたいんだけど、費用はどのくらいかかるんだろう?
と考えている方もいらっしゃると思います。
(私も、自分の土地を宅地造成行う前かなりネットで調べたんですが、宅地造成にかかった実際の費用を記載しているサイトは見つかりませんでした。)
そういう方のために、我が家の宅地造成費用を元にした簡単な計算方法を載せておきます。
実際に見積もりを取った時、大幅に金額が違ってくる可能性もあるため参考程度にしておいてください。
なお今回はキリが良い田んぼ100坪を造成すると仮定して計算します。
まず我が家の見積書1枚目を元に、それぞれの宅地造成工事かかる作業単価を算出。
内容 | 計算方法 | 単価 | 備考 |
床堀り、基礎砕石 | 65,000円/50m | 1300円/m | L型擁壁設置長さと同じ |
基礎コン型枠、生コン打設 | 135,000円/50m | 2700円/m | L型擁壁設置長さと同じ |
L型擁壁 H-1200認定 | 743,200円/50m | 14,864円/m | サイズ違いでも値段がほぼ変わらないため1.2mで計算 |
L型擁壁据付 | 3,500円/m | 見積書からそのまま | |
コーナー切り合せ | 30,000円/2箇所 | 15,000円/1箇所 | |
山土盛土、均し、転圧 | 1,600円/㎥ | 見積書からそのまま | |
BH・ローラー運搬費 | 50,000円 | 見積書からそのまま | |
諸経費 | 157,200円/ 1,733,000円 | 造成費用の約9% | |
消費税 | 造成費用の10% | ||
ハウスメーカーに依頼した場合 | 210万円~240万円 /187万円 | 造成費用の約112%~128% | 他4社見積参考 |
この単価表をもとに宅地造成の費用を計算します。
例:

・田んぼ約100坪(21m×16m=336㎡)を宅地造成して家を建てたい。
・二面が公道と接しているため、残り二面(21m+16m=37m)にL型擁壁を設置し、公道まで地盤を地上げしたい。
・今の田んぼの地盤面は公道より50cm下がっている。
内容 | 単価 | 計算方法 | 金額 |
床堀り、基礎砕石 | 1,300円/m | 37m×1,300円 | 48,100円 |
基礎コン型枠、生コン打設 | 2,700円/m | 37m×2,700円 | 99,900円 |
L型擁壁 H-1200認定 | 14,864円/m | 37m×14,864円 | 549,968円 |
L型擁壁据付 | 3,500円/m | 37m×3,500円 | 129,500円 |
コーナー切り合せ | 15,000円/1箇所 | 1箇所×15,000円 | 15,000円 |
山土盛土、均し、転圧 | 1,600円/㎥ | 336㎡× 0.5m×1,600円 | 268,800円 |
BH・ローラー運搬費 | 50,000円 | 50,000円 | |
諸経費 | 造成費用の約9% | 上記合計×9% | 104,514円 |
消費税 | 造成費用の10% | 上記合計×10% | 126,578円 |
合計 | 1,392,360円 | ||
ハウスメーカーに 依頼した場合 | 造成費用の約112%~128% | 合計×112% ~128% | 1,559,444円 ~1,782,221円 |
といったところになります。
我が家の造成費用と比べ、L型擁壁を設置する長さが減るので逆に安くなりました。
L型擁壁の単価は、据え付けまで含めて結構高めですから。
なお、入れる土の量が減っているため「山土盛土、均し、転圧」の金額も減っているんですが、盛土後の転圧する面積は我が家より増えるため、ここまで下がらない可能性大。
またL型擁壁の製造メーカー毎でも値段が違いますし、先述したとおり都市部の場合や、宅地造成場所までの道の状況等でも費用がかさんできます。
ま、あくまで参考ということで。
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土地造成費用の相場や目安に関する間違った情報について
「宅地造成費用 相場」とか「宅地造成費用 平均」で検索すれば出てくるんですが、上位表示されるほぼ全ての記事に下記のような内容や表が出てきます。
(各単価=1㎡あたり)
管轄国税局 | 整地費 | 伐採・伐根 | 地盤改良費 | 土盛費 | 土止費 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 600円 | 1,000円 | 2,100円 | 6,600円 | 72,900円 |
仙台 | 700円 | 1,000円 | 1,900円 | 7,500円 | 69,500円 |
関東信越 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 7,100円 | 69,700円 |
東京 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,900円 | 70,300円 |
金沢 | 700円 | 1,000円 | 1,900円 | 6,900円 | 69,300円 |
名古屋 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 7,000円 | 71,500円 |
大阪 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,600円 | 67,600円 |
広島 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,600円 | 66,400円 |
高松 | 700円 | 1,000円 | 1,900円 | 6,600円 | 71,800円 |
福岡 | 700円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,700円 | 56,100円 |
熊本 | 600円 | 1,000円 | 1,800円 | 6,700円 | 52,300円 |
沖縄 | 700円 | 1,000円 | 2,400円 | 7,200円 | 57,900円 |
こういったものを用いて、
「宅地造成の作業は各県ごとに料金が決められてます。」とか
「各国税局で宅地造成費用は決められてます。」とか
「各県ごとの宅地造成費用の目安にしてください。」とか
「各エリア毎の宅地造成費用の相場がこちらです。」とか
「造成費用の相場は、国税庁から地域ごとに金額が提示されています。」とか・・・。
でも、実はこれ間違っているんです!
実際この数値が引用されているものは、こちらのページ(国税庁の財産評価基準書)の下画像の緑枠部分。
こちらをクリックすると、↓のような宅地造成費の金額表が出てきます。
ぱっと見、「東京都ではこのぐらいの宅地造成費用がかかるんだな~」って思いますよね。
「1㎡整地するのに700円かかるんだ」とか「体積1㎥の土を入れると6,900円かかるのか」とか。
見やすいように各サイト、この表を各都道府県ごとに整理して掲載されております。
でも、違います。
↑金額表の緑枠部分で囲った通り、この表は「土地を評価する場合」に使用する宅地造成費用であって、「実際にかかる宅地造成費用の相場や目安」ではありません。
では、この表どういった時に使うのかというと固定資産税評価や相続税計算時等に使用されます。
金額表の赤枠部分にあるように、市街地農地等の場合は「その農地が宅地であると仮定して土地評価が計算され、この農地を宅地造成した場合にかかる費用を控除する」といったような計算を行います。
この「宅地造成した場合にかかる費用」を計算するときに上記金額表を使用するわけですね。
簡単な例で解説すると、
「この農地は市街地にあるので、宅地だと仮定して土地を評価します。宅地の場合だと固定資産評価額1,000万円ですが、宅地造成した場合700万円かかる計算なので、実際の評価は1,000万円ー700万円=300万円です。」
といったふうに、この700万円を計算するときに使います。
(実際の計算は1㎡あたりの評価額を出して、地積分掛けます。)
つまり土地の評価額を決めるために国税庁はこの金額表を定めているのであって、実際にかかる土地の造成費用とはなにも関係ないということをご理解いただきたいです。
ということで、各サイト全然違うものを、「宅地造成にかかる費用の相場や目安」として載せられています。
(分かりやすく例えると、5月ごろ役場から送られてくる固定資産税課税明細書の土地評価額を、そのまま土地売買時の相場や目安と言っているようなものです。)
サイトによっては「土地の造成にかかる費用は民間業者が勝手に決めているわけではなく、原則として国税庁が決めています。」とか書いてあり、笑ってしまいました。
国が決めているのなら、どこの業者で見積もり取っても一緒の金額しか出てこないじゃん・・・。
あまりにも誤情報を載せているサイトが多すぎたので、私が間違っているのか心配になり国税庁に直接電話したんですが、やはりこの金額表は土地評価に使用するもので、宅地造成費用の相場や目安ではないという回答をいただきました。
・・・ホントは宅地造成費用の相場が「国土交通省」ではなく「国税庁」のサイトに記載されていることに、普通は疑問に思うんですけどね。
それに金額表に載ってる地盤改良費は、地盤の状態によって料金が大幅に変わることぐらい誰だって知ってるはずなのに・・・。
(既にいくつか修正や削除されているので、誰かが該当サイトに伝えてるのかもしれませんね。私もそのうち直接メールしようと思ってます。)
「造成工事費用の相場はいくら?」
不動産一括査定のオススメ
「費用相場・盛土・擁壁などを大解剖!全てが網羅できる「造成」の全知識」
Anken Tank Press
「造成工事とは? 種類や流れ、費用相場を解説!」
マイナビニュース(修正済)「田んぼから宅地にして家を建てよう!手順やかかる費用を徹底解説」マイナビニュース(修正済)「造成工事にはどれくらいかかる?見積もりの目安や安くする方法を解説」マイナビニュース(修正済)「土地の造成費用の目安はいくら?地域別の費用や4つの節約ポイントを解説」NTTDATA「HOME4U」(削除済)「土地の造成費用、相場はいくら?費用の計算方法と節約方法」土地活用プラス(削除済)「土地の造成費用はいくらかかる?工事の種類別に坪単価と具体例を解説!」
有名なニュースサイトや企業、建設会社もあります。
記事の中身を見てみると司法書士の方、不動産鑑定士の方などなぜ知らないんだろうと思う方もいらっしゃいました。
特にひどいのは「宅地造成費用」ではなく「土地造成費用」になっていたり、「農地」の文言も入ってなかったり・・・・。
一番ひどかったのは、別のページでこの金額表の正しい使い方を教えているサイトもありました(/・ω・)/
また、宅地造成費用と関係ない部分で、上記金額表を「相続税を計算するための金額」とだけ書いてあるサイトも見受けられますが、実際には相続税の計算以外でも使用します。
※記事の修正削除等があったら一覧から消していってます。当初は20サイトほどありました。
前よりは減りましたが、時折新規に増えたりも。
現在ツイッターでも紹介されています。
前にも書いたけど、国税庁が公表してる宅地造成費は、市街地農地等の土地評価を計算するとき使うのであって宅地造成費用の相場じゃないですよ。
NTTさん記事内容間違ってますよー。https://t.co/RxEqVDf8Jg#ブログ初心者#ブログ書け
— tamani343 (@tamani343) July 29, 2021
ちなみに私が住んでいる県の金額表を用いて、宅地造成した我が家の田んぼを計算してみると
整地費単価 600円/㎡×228㎡ =136,800円
土盛費単価 6,900円/㎥×236㎥=1,628,400円
土止費 52300円/㎡×50㎡ =2,615,000円 (実際は50㎡以上あります)
合計 4,380,200円
となり、実際にかかった費用1,857,600円や、見積もりを頂いた他4業者210万円~240万円とも金額がかけ離れており、相場と全く違い目安にもなりません。
ということで、宅地造成費用の計算には全く役に立ちません。
なお造成費用の計算には役に立たないんですが、参考になるものが少しだけあります。
・土地価格が高い東京と比べても、宅地造成費用については全国的にそこまで変わらない。つまり実際にかかる宅地造成費用も全国的に差が少ないと思われる。
・造成地に傾斜があると造成費用の値段が上がる。
このぐらいですね・・・。
つまり、かかる費用の傾向がわかるだけで、具体的な造成費用の金額については全く役に立ちません。
最初の方に記載した国税庁の金額表を、「実際にかかる宅地造成費用の単価や相場」と勘違いしてしまい、「所有地に家を建てたいから自分で造成費用を計算してみたけど、私の予算じゃ宅地造成なんてできない・・・あきらめよう」みたいにならないよう今回注意喚起を行いました。
何度も言いますが、国税庁が載せている「宅地造成費」は、実際宅地造成を行った時にかかる費用の相場ではありません。
上記の表や金額を載せて「相場」という文言を使っているサイトを見つけたら注意しましょう。
皆様も誤情報に惑わされないようお気をつけください。
まとめ
最後の方は実際にかかった宅地造成費用ではなく、ちょっと脱線してしまいました(/・ω・)/
重要な情報だったため、追記しております。
私は上記の通り宅地造成費用をできるだけ減らすため、ハウスメーカーを通さず宅地造成業者に直接依頼しております。
ただし直接依頼をしてしまうと地盤になにか不具合が発生したとき、ユニバーサルホームか宅地造成業者のどちらが責任を負うのか分かりません。
金額は仲介料がない分直接依頼した方が安くなりますが、その後のアフターフォローを考えるとハウスメーカーに頼むのが一番なのかもしれません。
家は一生で一番高い買い物になりやすいですので、後悔しないようにしておいたほうがいいですね。
私は直接依頼してしまいましたが(笑
この宅地造成を行った後の地盤改良についてはこちら
『田んぼだった土地に新築したときの地盤改良工法と費用は?』
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